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認魂レポート

第12回テーマ : 「徘徊・出奔にどう対応するか?」    

参加者:
【介護職】小出薫1)庄司俊彦2)高橋芳雄2)西川元子2)原島哲志2)布施良友2)渡辺誠3)
【介護支援専門員】佐藤光美4)
【社会福祉士】加勢千恵子5)
【認知症地域支援推進員】力石雅博5)
【作業療法士】川瀬敦士2)
【薬剤師】竹津喜則6)丸山里奈7)山寺忠之7)
【保健師】阿部育子8)帆苅久美9)渡邉晃代10)
【認知症看護認定看護師】小林由香11)
【看護師】坂井美和子2) 田巻康弘12)
【営業】磯部泰之13)伊藤大13)須貝和哉14)八木原潤14)
【医薬情報担当者】早野義一15)
【管理者】金子幸枝1)
【医師】川瀬裕士2)

介護職、管理者・・・以下「介」    介護支援専門員・・・以下「CM」
薬剤師・・・以下「薬」        作業療法士・・・以下「リハ」
看護師・・・以下「看」        保健師・・・以下「保」
社会福祉士・・・以下「社会」     認知症地域支援推進員・・・以下「地域」
営業・・・以下「営」         医薬情報担当者・・・以下「MR」
認知症看護認定看護師・・・以下「認看」

1)グループホームこころつくし(以下「GH」)
2)川瀬神経内科クリニック、ディケア樫の森・かわせみ、本成寺安心住宅かえるハウス(以下「川瀬」)
3)特別養護老人ホーム吉田愛宕の園(以下「特養」)
4)三条市地域包括支援センター嵐南(以下「包括A」)
5)燕市分水地区地域包括支援センター(以下「包括B」)
6)共創未来さかえ薬局(以下「薬局A」)
7)メッツ嵐南薬局(以下「薬局B」)
8)済生会三条訪問看護ステーション(以下「訪看」)
9)三条地域振興局健康福祉環境部(以下「行政A」)
10)三条市地域包括ケア推進センター(以下「行政B」)
11)済生会三条病院(以下「病院」)
12)介護老人保健施設 ケアホーム三条(以下「老健」)
13)新潟綜合警備保障株式会社(以下「警備A」)
14)セコム上信越株式会社(以下「警備B」)
15)大日本住友製薬株式会社(以下「製薬」)

 


 

氏  名(所属・職種)
川瀬敦士(川瀬・リハ) それでは時間になりましたので認魂研修会を始めていきます。司会進行を承ります川瀬敦士と申します。どうぞよろしくお願い致します。では初めに会の趣旨について川瀬神経内科クリニック院長の方から説明させて頂きます。お願いします。

川瀬神経内科クリニック 作業療法士 川瀬敦士 氏

川瀬裕士(川瀬・医師) 今回が12回目ですかね。この会はいろんなテーマを今までやってきまして、今回が「徘徊・出奔にどう対応するか?」ですね。頻度はそんなに多くないのかもしれないのですが、この問題がある人はご家族も苦労するし、施設とかでそれがあると大事件になると。我々のところでもそういう経験が何回かあって、警察の方に協力してもらったりして、大変なことになってしまって、最悪、命の危険ということがある。いろんな市町村でいろんな取り組みをしていますので、何名か今回来ていただいたりもしています。市町村単位だとステッカーとかワッペンみたいなのを使っていますが、個人だとGPS機能付きで、どこにいるのかを機械の端末で分かるという、そういう良い物も出てきていますので、その辺のことに対して、開発の方、営業の方のご意見を頂ければということで、アルソックさんとセコムさんに本日来ていただきまして、いろんな意見をもらえればなと思いますし、逆に会社の方にこういった製品、こういったサービスをしてくれるといいのにというのがあれば言ってもらえればと思います。いろんな経験のある方が今日も集まっていると思うので、是非いろいろ活発にご討議いただければと思います。それではよろしくお願いします。

川瀬神経内科クリニック 医師 川瀬裕士 氏

川瀬敦士 それでは今回のテーマ、「徘徊・出奔にどう対応するか?」です。BPSDの中でも徘徊、特に夜間徘徊は介護を困難にさせ、施設入所を早める要因となっています。警察庁の統計では認知症の行方不明者数は、5年前の1.6倍に増加しています。徘徊の要因としてはこれらのことが挙げられています。(図1

図 1 : 本人の気持ち

徘徊の要因

「帰宅願望性」
「捜索性」
「無目的」
「親密性」…家族、友人に会おうと
「生理的要因性」
「勤勉性」…仕事、家事

※「認知症の取り扱い説明書」平松類SB新書
「介護保険施設の職員が認識する対応困難な徘徊の特徴」
 保健科学研究5:129-140.2015

 

「帰宅願望性」は同居のために引っ越したり、病院や施設に入ったりしている時は特に顕著です。子供のころに暮らしていた家に帰りたいと思ってしまうこともあります。「捜索性」は失くしたものを探し歩くことです。「無目的」は目的・理由が把握困難だったことです。「親密性」は実在していない人も含みます。そして「生理的要因性」は排泄・飲食の欲求、身体・精神的不快感によるものです。「勤勉性」は「仕事に行かなければ」「家事をしなくちゃ」など考えてしまうことです。定年になったけれども仕事の癖が抜けずに会社に行こうとしたり、料理をしなくなったのに材料の買い出しでスーパーに行こうと思ったりしてしまいます。ここに挙げた要因は上から順に、ある調査研究で介護者が遭遇したことのある多い順になっています。1位とそれ以下の差が大きく「帰宅願望性」が圧倒的に多い結果でした。このようにご本人の言動から要因がわかることもありますので、なるべくなら気持ちに沿った対応が望ましいと思われますが、実際は本人の目的やニーズを達成できる介入が難しい事が多いのではないでしょうか。次に徘徊によって生じるリスクにはこのようなことが挙げられています。(図2)

図 : 徘徊によって生じるリスク

・転倒、転落
・他者とのトラブル
・身体損傷
・体力消耗
・全身状態や疾患の悪化

※「介護保険施設の職員が認識する対応困難な徘徊の特徴」
 保健科学研究5129-140.2015

 

もっとも、屋外に出てしまった場合には死亡例や、2007年の愛知の列車事故では、残された遺族の人生に重大な労力を与えてしまうこともありました。そして、出て行ってしまった後の場合の備えについても考えなければなりません。さて、皆さんは日頃どのような対応をされていますでしょうか?今日は介護現場だけではなく、市町村の取り組みやGPS機器についてもお話が聞けると思いますので宜しくお願い致します。

 

サービス付き高齢者向け住宅から居なくなる

川瀬敦士(川瀬・リハ) それではさっそく事例紹介に入っていきたいと思います。ではまず1例目、サービス付き高齢者向け住宅かえるハウスの原島さんより出奔事例ですね。

原島哲志(川瀬・介) サ高住かえるハウスは、2階全体と1階がサービス付き高齢者向け住宅になっていまして、そこに入居されていた70代女性の方(Kさん)で、認知症もかなり重くて、コミュニケーションも困難な方で、その方がサ高住かえるハウスから出奔しました。ここから100m位の所にあるショッピングセンター付近で、Kさんを知っている方が発見してくれて無事ここに連れてきてくれたということがありました。皆さんが入ってきた正面玄関はオートロックになっておりまして、基本的には鍵が常にかかっている状態ですね。簡単に出ることが出来ない環境にはなっていましたが、ここの建物が2012年にできたばかりで、まだその時には事務所につながるドアに鍵がついていなかったんですね。事務所を通って職員玄関の方へ行って、職員玄関は外からはテンキーですけど、中からは普通に開くということで、防犯カメラがついているので確認したら、この裏の脇から出て行くのが見えたので、正面玄関からは出て行っていない。ということは職員玄関から出て行ったのではないかということで、後から調べて。それがきっかけで事務所も鍵を付けたんですけど。

川瀬神経内科クリニック 介護職 原島哲志 氏

川瀬裕士(川瀬・医師) 何時頃でした?

原島哲志 夕方ですね。

川瀬裕士 明るい?

原島哲志 はい、明るい時でした。125日です。夕方の330過ぎから二階でお風呂が始まるのでスタッフも手薄になる時間帯というのもあって、お部屋にいると思っていたのですけれども、いつの間にか出て行ってしまっていたということがありました。

川瀬裕士 元々出そうな雰囲気がある人ではなかった?

原島哲志 はい、基本あんまりなかったんですよ。

川瀬裕士 予想外だった?

原島哲志 はい、我々もどちらかといえば、予想外なところがありましたね。

川瀬敦士(川瀬・リハ) これはMMSE不可となっているんですけど、すごい重度の人だけど体は動ける人ということ?

原島哲志 そうですね。ちょっと失語っぽいものもあって、なおさらコミュニケーションも完全にとれない感じで。

川瀬裕士 本人が何を望んでいるかとかもわかりにくい?

原島哲志 わかりにくいですね。かなり進んでいました。

川瀬敦士 じゃあ先程の徘徊要因の分類でいうと、把握困難な「無目的」というような感じなのでしょうかね。

原島哲志 そうですね。動きもそんなにさっささっさと動くタイプではないので、なおさら目立ちにくいというか。

川瀬敦士 これ冬だったので、発見が遅かったらほんとに大変な例ですね。

原島哲志 そうですね。

川瀬裕士 靴は?

原島哲志(川瀬・介) 靴は履いていませんでした。ここの職員用のサンダルを履いていました。

川瀬敦士(川瀬・リハ) それまでは鍵は閉めていなかったと。

原島哲志 事務所は鍵がなかったんですよ。

川瀬裕士(川瀬・医師) 出ないだろうと思っていたところから。

原島哲志 そうですね。

川瀬裕士 今つけているんだっけ。

原島哲志 今つけているので。

川瀬敦士 開設して半年ぐらいで初めてそういう事例があって経験値を積んで。他に今日はサ高住の方はいらっしゃらないので、他のサ高住はどうしているのかはちょっとわからないけれども。グループホームこころつくしの金子さんいかがですか。出奔とかですね。グループホームはそこらへん万全でしょうかね。

金子幸枝(GH・介)うちはグループホーム自体が2階なので、見ている限りでは大丈夫なのですけれども。下はデイサービスで、日中は出入りが自由なので、2階から下に出て、外に出るという方(Aさん)がいます。とりあえずは食い止めることは出来るんですけれども、Aさんは先程の徘徊の要因でいうと「帰宅願望性」で、帰宅欲求が認知症で急に進んでしまって、帰りたくて、帰りたくてしょうがないということで徘徊につながっているのですけれども。一晩中出口を探してさまようので困っており、今日参加させて頂きました。

グループホームこころつくし 管理者 金子幸枝 氏

川瀬敦士 結構いらっしゃるということで。2階から1階への移動というのは階段ですか?エレベーターですか?

金子幸枝 階段ですね。

 川瀬裕士 例えば隙があればいつも帰りたがるような人がいた時に、物理的に施設だったら施錠の問題で解決できる問題なのでしょうか?現状のグループホームこころつくしさんで、外への出奔は100%ないといえる体制がとれていますか?

金子幸枝 100%はたぶん言えないと思うんですけど、施錠の問題で防げていると思うんですけど、本日のテーマで聞きたかったのは現状が私たちの支援では難しいところまできているのかなということで、例えばお薬と併用するとか、徘徊要因に対してのケアをどういう風にしようかなというところで、ちょっと悩んでいる時期に入っていますので、どうしても昼間、夜の徘徊もそうですけど、私たちが昼間の支援とか人に関わることによってケアできる部分を超えているなというところで病院に対してのお薬というか。

川瀬裕士 物理的に実際に外に出てしまうことがないようにはできるのだけれども帰りたかったり、うろうろ歩き回ることに対して介護しないといけないわけで、そこがもうちょっとそもそもそういう欲求が収まってくれるといいなというところもあると。ただ出ることに対しては、建物の外に出てしまうことに対しては一応今のところは対応できている。

金子幸枝 大丈夫ですね。

川瀬裕士 それは鍵の問題であったり、人の配置の問題であったり。

金子幸枝(GH・介) ただ道路に面しているので、敷地内で食い止めないと危ないというところはありますけど。

川瀬裕士(川瀬・医師) 人が少ない時にも一応それは可能になっているんですかね。

小出薫(GH・介) デイサービスが休みの時は鍵をかけます。

グループホームこころつくし 介護職 小出 薫 氏

川瀬裕士 じゃあそこは最終のところは大丈夫になっている。

川瀬敦士(川瀬・リハ) デイサービスをやっている時は、出入りがあるから100%じゃないですもんね。人の出入りがあるから鍵まではかけられないということで、そこはまあ隙はあるけれども。わかりました。まさにそういう話をいろんな事例を基に、みなさんの意見とか経験談を聞いていきたいと思います。

 

自宅から外出し戻れなくなった‐遠方まで

川瀬敦士 では次ですけれども、これは坂井さん、自宅から外出して戻れなくなったという。2013年、結構前ですね。いくつかエピソードありますね、この方。

坂井美和子(川瀬・看)70代男性でアルツハイマー型認知症の方(Sさん)です。村の忘年会で寺泊の温泉施設1に皆さんで参加されて、一人で帰ろうかと思ったのか、温泉施設からいなくなって行方不明となった事例です。うろうろされていたけれども、皆さんは不自然には感じなかったそうです。しばらくして、本人がいないことにご家族が気づきました。三条警察署2に届出をしたが、寺泊でいなくなったので三条は管轄外、与板警察に届出をしたそうです。話の内容から事件性はないということで警察の方がパトロールのみ対応してもらったが一晩見つかりませんでした。翌日、出雲崎タクシーに乗って帰ってきたそうで、温泉施設から出雲崎方面へ歩いて行かれ、出雲崎のガソリンスタンド3にいたところを、足が腫れているし、なんかおかしいなと思ってガソリンスタンドの人が声をかけたそうです。なぜか自分の名前と住所が言えて、「タクシーを呼んでくれ」と言ったんだそうで、タクシーに乗って家に帰ってきたんだそうです。「ここを曲がってこう」ときちんと説明できたそうです。一晩どうやって過ごしたかは聞いても覚えていなかったということですけれども。このようなエピソードがあった方がいました。

1 新潟県長岡市寺泊松沢町の温泉施設。
2 Sさんの住む新潟県三条市の警察署。
3 新潟県三島郡出雲崎町のガソリンスタンド。行方不明となった長岡市寺泊の温泉施設から約11㎞。

川瀬神経内科クリニック 看護師 坂井美和子 氏

川瀬敦士 なかなか夜間というところも、行方不明になっちゃう方多いみたいですね。発見しにくいと。この方続きがありますのでそれも終えてから。この時点でMMSE19点だったんですね。その後もう一度あったんですね。今度は日中。

坂井美和子(川瀬・看) もう一度あったんですね。日中でお昼を食べた後にホームセンターに猫の餌を買いに行くと言って自転車に乗って出かけて行ったんだそうです。なかなか帰ってこなくて、夜の11時頃に「今長岡4にいる」と電話があったんだけれども、プツッと切れてしまって詳しい場所を聞いても全然分からなくて。その後、1時間くらいしたら長岡の警察から電話があって、本人が「自分がどこにいるかわからない」と8号線沿いの交番に入って言われたんだそうです。長岡警察が三条警察に照会したら、届け出を出していたので、確認して警察の方が自転車ごと丁寧に送ってきてくれたんだそうです。自宅は済生会病院の近くで、本来なら右に曲がると自宅に行くんだけれども曲がらないで真っ直ぐ行ってしまって長岡の方に行ってしまったようだということで。このケースも運が良くてというか、戻ってこられたから良かったんですけれども、一晩過ごされて帰ってきたというケースですね。

4 新潟県長岡市のこと。長岡市役所と三条市役所の距離は約32㎞。

川瀬敦士(川瀬・リハ) はい、これも午前3時ですもんね。夜もまわって。この時点ではまだ21点なので、軽度から中等度くらいでもこういうようなことが起こりうるということと。

坂井美和子 家族もいつも行って帰ってくるから帰ってくるだろうと思っていたところだったみたいで。

川瀬敦士 警察に届け出を出していたんですかね。

坂井美和子 はい、出していて、それで長岡警察署が三条警察署に問い合わせてくれて。

川瀬敦士 この方って三条市在中の方ですよね。三条警察に届け出を出したものが、いわゆるSOSの連携かなにかで長岡のところまでいって長岡の警察が見つけたという感じなんですかね。

坂井美和子 長岡警察が見つけて、長岡警察が三条警察に問い合わせをして、「こういう方が行方不明になっています」ということで。

川瀬敦士 三条警察に届け出を出していたから、「その人です」となったということですね。三条市とか燕市でも見守りの事業というのをやっていると思うんですけれども、その登録事例だった場合は。この時はまだこういうのやっていないですよね。もし登録しているんであれば、ご家族は動きとして三条市さんに連絡するなりとか、どんな動きになりますか?

渡邉晃代(行政B・保) そうですね、まずは警察に相談をして手配をかけていただくというか、捜索の網を張っていただくような形になるので、そうすると警察が登録している事業所百何社にFAXを送るんですけれども、その中に市役所も同じようにFAXがくるので、三条市としてはそれを介護事業所へ一斉FAX送信するっていうのが今の流れになっています。今三条市がやっているのが靴ステッカーの登録事業なので、もし長岡市から問い合わせがあった時に、例えばその靴を履いてくださっているかどうかがあれなんですけれども、この番号がついているって言われれば警察の時点で特定をして警察の方からご家族に連絡をするなりしていただくという流れになるか、もしくはこちらに問い合わせがあればこちらからご家族に連絡をするというような形になります。

三条市地域包括ケア推進センター 保健師 渡邉晃代 氏

川瀬敦士(川瀬・リハ) じゃあ三条市と警察に両方連絡するとかではなくて、まず警察で全部そこはワンストップでつながるということですね。見守り事業にもつながる。

渡邉晃代(行政B・保)そうですね、はい。事前に連絡が来ても特定されればそこで警察に言うまでもないと思うんですけれども。この場合は保護された状態での警察からの問い合わせだったので、誰かというのがわかって、例えば靴ステッカーのついた靴を履いているというのがわかれば全然市役所だけでもかまわないと思うんです。ただそれがどこのどなたかわからないとか、むしろいなくなっちゃったというだけの相談で、見つかっていないという段階であれば、まずはご家族からの相談を入れてもらうようにしています。その上で三条市としてどこまでの対応を希望しますかというのをお聞きしてご家族の希望があれば、災害の時に鳴らす一斉放送とか一斉メール配信までしますか、どうしますかというので、まだ見つかっていない段階ではそういうことをします。

川瀬敦士 最初に、それはしてもいいですかという意思確認をするんですよね。

渡邉晃代 確認してからですね。

川瀬裕士(川瀬・医師) 一斉のメールを送ったり放送するのって、夜中は迷惑だからしないとか、市町村によって時間の設定が微妙に違ったと思うんですけど、朝7時からなのか830からなのか、夜は5時を超えたら迷惑になるからしないとか。

渡邉晃代 夜は対応していないですね。

川瀬裕士 ダメだよね。メールもダメでしたか?

渡邉晃代 メールも夜はしていなかった。

川瀬裕士 災害ならまだしも。高齢の方とかで、夜中に起こされたってクレームがくる場合もあるかもしれないから。夜は基本回さない。それはたしか燕市も。ただこれGPSがあれば一発ですか?

川瀬敦士 その話はこれから。

川瀬裕士 まあでもね、みんながそんなに知っているわけではないし、持てていなかったというところに問題があるのかもしれないけど。ただこの人は2回目だからね。持っていたら良かったなと。

川瀬敦士 この後GPSのエピソードがあるんですよね、坂井さん。

坂井美和子(川瀬・看)はい。

川瀬敦士 あ、でも燕市はどうですか。今のこの見守り事業というのはどういった形でやっているのかなと。

力石雅博(包括B・地域) 同じですね。事前登録制度もありますし、警察のSOSネットから市役所を経由して、登録した市民の方にメールを送るという2本立てでありますし、それ以外に捜索うんぬん以前に声を掛けるといったところも大切にしているので、路上とかいろんなところで体験会、訓練という形で行っています。

燕市分水地区地域包括支援センター 認知症地域支援推進員 力石雅博 氏

川瀬敦士 三条新聞にも認知症高齢者への声掛け訓練という形で6月に記事が載っていましたけれども、弥久保さんが講師になって。これは佐藤さん、三条市の地域包括支援センターの圏域毎にいろんなところで 実施しているのですね。

佐藤光美(包括A・CM) 私たちの所では9月に予定をしています。声掛け訓練で。声掛け訓練をする前に認知症の勉強を2回くらいやって。今回対象になるのが高齢者というか結構お年を召した方たちが訓練をしたいということでやるので、そうではなくて若い世代の方たちもそういう訓練に参加できるような体制を作っていきたいなということで、若い方たちは来年度向けに講座に参加できればということで、声を掛けさせてもらおうかなと思っています。

三条市地域包括支援センター嵐南 介護支援専門員 佐藤光美 氏

川瀬裕士(川瀬・医師) 学校単位でもやるんでしたっけ?

渡邉晃代(行政B・保) そうですね。学校から依頼があって、地域包括支援センター、特別養護老人ホーム、その他の施設スタッフさんが行っているのもあるんですけど、今年度、地域包括支援センター嵐南とやったのは、こちらから教育委員会に働きかけて「やってもいいですか」と言って、小学校に相談に行って「やらせてもらえませんか」ということで。

川瀬裕士 小学校へは全部やってほしいよね。5.6年生向けに。

渡邉晃代 そうですね。小中一貫教育推進課というところに、「こういうのやりたいんですけど」と言ったら、「全然かまわないと思うからもし差し支えなければ教頭会とかでそういうの説明したらどうですか」と言っていただいたのでやってみた結果を、報告させてもらおうかなと。

川瀬裕士 三条市の小学校卒業した人は全員それを受けているというところまではなっていないんだ。

渡邉晃代 まだ学校単位の取組には。

川瀬裕士 やってもいいと思うけどね。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 高校なんかもいいですよね。

川瀬裕士 小中高で一回ずつくらいやってもね、ちょっとレベルをあげていろいろやってもいいかもしれない。

力石雅博(包括B・地域) 来週訓練あるんですよ。丁度一週間後に。分水地区の方で。燕市の中学生の職場体験学習というのがありまして、その日程に合わせて分水の方で模擬訓練を行うと、施設系に実習にこられる生徒さんも多いので、圏域の施設の方に協力依頼をしていて、小学生がきたら一緒にきてくれと。去年は6.7人くらい参加してもらっています。

川瀬裕士 全員受けさせたいですよね。三条市が先にできるか燕市が先にできるかどっちが精力的な市なのか頑張って競い合って必須にしていただければいいんじゃないかと思うんですけど。

川瀬敦士 夕方でも高校生なんかがすれ違うと、こっちが黙って通りすぎようとしても挨拶してくれたりしますからね。

川瀬裕士(川瀬・医師) あれが当たり前になって大人になっていけばいいんだよね。

力石雅博(包括B・地域) 小学校、定期的にやっているのはたぶん燕市内で2つかそこらくらいですね。

川瀬裕士 やっているところはあるわけだね。それが全部に広がるといいね。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 実際にそういう声掛けとかの効果とか実績とか、見つかった、つながった、みたいな成功例はあるのでしょうか?

力石雅博 1つあります。訓練終わった直後に参加した人たちが解散したんですよ。自分の家に歩いていく途中に見慣れない人を見つけて声を掛けたら隣町の人だと。これから家に歩いて帰るんだと言って、見ていたら反対の方に歩いて行ったと。ちょっとと思ったのでいろいろ話をして車で自宅に送りますよと。住所は言えるんだけれども車に乗ると自分の家がどこかわからない。車で10分くらいで着くところを1時間かけて送り届けてくれたという実例があります。

川瀬裕士 実績があるわけだね。素晴らしいじゃないですか。

川瀬敦士 実際につながりそうな感じもしてきましたけれども。この方、今度はMMSE11点になってしまいましたけれども、今年のことですね。同じ人が3回目のエピソードです。

坂井美和子(川瀬・看) 家の隣に兄弟が住んでいたんだけれども空き家になっているんだけれども、毎日神棚に水をあげに行っている。前はちゃんと帰ってこられていたので、安心していたんですけれども、最近帰ってこれなくってどこかへ行ってしまって、外に出たがる為に、建具屋に頼んで内や外に専用のカギを取り付けたんですけど、外に出たくなるとすごい勢いで戸を叩いて鍵が壊れてしまい、外れてしまって外に出て行ってしまうということで。徘徊防止の為に最初は携帯電話を持たせたんだけれども、勝手にいじってしまってスイッチを切ってしまって機能しなかったので、セコムさんのGPS機能のついている小型のものをベルトに通して付けているんだそうで。いなくなった時にはセコムさんに連絡をするとセコムさんが探してくれて、居場所を連絡してくれて、そこへ迎えに行っているそうです。

 

GPS端末‐ココセコム(セコム)、まもるっく(アルソック)

川瀬敦士 なんと、そんなすばらしい商品があるんですね。セコムさんに振りたいと思っていたのですけれども、どんな商品がありますとか、ベルトに通してつけるやつもあるんですか?

八木原潤(警備B・営) いろんな商品がございます。

セコム上信越株式会社 県央支社 営業グループ 八木原 潤 氏

川瀬裕士 基本情報として、GPSとかその人がどこにいるかっていうのを知る機械は大きく分けて、その人がどこにいるか分かるだけでいいものと、あと今日来ていただいているセコムさんとアルソックさんはもともと警備会社なので、どこにいるか分かった後に警備員がそこに行くことが出来るというところが、それ以外のただ場所だけわかって後は家族が捜して下さいというのとそもそも大きな違いです。人が実際に動いて行ってくれたりするというね。他にもいろんな機能があるんだけどね。場所を知るだけなら、子供に携帯電話を持たせている親なんかで今どこにいるかというのをチェックすることができるような、そういうのは都会とかだったら結構あったりしますね。

川瀬敦士(川瀬・リハ) それではセコムの八木原さんお願いします。

八木原潤(警備B・営) 今先生がおっしゃっていただいた通りで、アルソックさんもそうだと思うんですけど、セコムの方のすべての商品がそうなんですけども我々の商品の売りはセコムのガードマンが24時間365日何かあったら駆けつけるというのが売りなんですね。こういうGPSの検索できる機械というのは、セコムであろうとアルソックさんであろうと他の会社さんの携帯電話であってもGPSで発見するのは無数にネットを探せばたくさん商品がでてくるとは思うんですけども、それの中で我々が秀でているところはガードマンが皆様が行けないところであればいつでもすぐ行ってくれる。ココセコムという商品なんですけれども、私もガードマンをずっとやっていました。結構これお願いされることも多くて、現場の方に行ってお客様の要望に合わせて、タクシー呼んでですね、お客様のところのお家までタクシーで送るとか、そういったところまでやるようなサービスがありまして、ほんとにお客様の要望に合わせてですね。今現物を配ります。これもいろんな種類がありまして、GPS機能が付いており、今どこにいるか、困っていて、「今そこまでセコム行ってくれ」という要望に応じて行くという商品です。また高齢者の方々だけではなく、非常ボタンが付いているものもあります。例えば帰宅時に何か襲われた時に外でも非常ボタンとして押すとそこにセコムが駆けつけるボタン付きのものもあります。あとは安否確認をしたいお客様には見守りフォンというものも出ています。これには電話にGPS機能も付いていますし、ストラップを引っ張ると苦しいというサイン信号が出るようになっており、どこにいてもセコムのガードマンが駆けつける。安否確認も出来るようになっていまして、決められた設定時間中に「元気だよ」という風な操作がないと登録頂いたお客様のところに具合が悪い時は操作なしというようなメールが届きます。安否確認を重視した商品もございます。ですのでお客様の要望に応じて、ヒアリングさせていただいてこういうサービスがありますよ、セコムが行きますよ、とお客様のニーズに合わせていろんな商品がございます。ポイントはセコムが現場に急行するということですね。

川瀬裕士(川瀬・医師) 子供に親が渡しておいて「これはこういう風に使うんだよ、こうなったらここを押しなさいよ」とか、その子供は自分の身を守るためだし、親が言ってくれているんだからそれを捨てることもないし、家に置いていくこともないし、こんなものつけたくないということもないし、勝手に電源を切ることもないんですよ。だからそれはそれでいいんですけど、認知症の場合は、本人はそんなの持っていたくない、あるいは捨てちゃいたい、「これなんだ?」って言う人がいるので、そこが機能として今説明したものの何個かは高齢者には向かないというか。例えばこれは自分で電源を切ったりとか出来ないようになっているんですか?

八木原潤(警備B・営) これは厳密に言うと出来ます。そうでないと機械の点検のほうもできないんですけど。

川瀬裕士(川瀬・医師) そうだよね。あとは持つのを嫌がる人にどうやってつけるかということが大きな問題で、なんとかいろいろ工夫して忍ばせたりとかですかね?

八木原潤 そうですね。

川瀬裕士 結構小さいですからね。

八木原潤 そうですね。このくらいの小ささなので、ベルトに通すカバーみたいなものもございます。

川瀬裕士 今回のこの方(Sさん)はどうなんですか?

坂井美和子(川瀬・看) そうですね。ベルトに付けていました。でも家に帰ってくるとやっぱりはずしてしまうことも。

川瀬裕士 なるべく本人が、「これなんだ?」「邪魔だから取ってしまえ」とならない、目立たない物の方が良いという利点はあるわけだ。

須貝和哉(警備B・営) 資料にも書いてある通り、このような所有者が工夫してやっているところがあります。いろんなやり方があります。「お守りですよ」と言ってお守りの中に入れて渡している方も中にはいらっしゃいますし、内ポケットにさらにポケットを作ってその中に忍ばせていらっしゃるお客様も中にはおります。

セコム上信越株式会社 県央支社 営業グループ 須貝和哉 氏

川瀬裕士 こういうものを持っているんだけど上手く使えていないという家族とか知っている人いますか?

力石雅博(包括B・地域) なんかわからないけどこんなもの持ちたくないという方いらっしゃいますし、結構大きいのでこれなんだと思って置いて行くとか、最初導入の時は理解して持って下さるんですけど、やはり忘れてしまうのが病気なのでなんだかわからないと。そして服にポケットに入れたまま洗濯機に入れてしまって壊れてしまう。それが繰り返されてダメになる。

川瀬裕士 これは防水?

須貝和哉 防水機能はないんですけれども、防水のカバーの中に入れて持ち運ぶということは出来ます。大きさがでかくなりますけど。

力石雅博 あと得てしてこういう方が持っていない時に限って帰れなくなることがあるんですよ。不思議なことに。

川瀬裕士 でもこの方は結構うまくいった例だね。

力石雅博 はい。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 出て行くってわかれば持たせることも出来るけど、ご家族が出て行ったあとに気づいた場合は間に合わないですもんね。

力石雅博 上手くいった例としては、自分で購入された非常に小型の500円玉サイズのがあって、それを長靴の折り返しのところに縫い込んだと。出かける時は、その長靴しか履かないからというので上手くいったという男性の例はありました。

川瀬裕士(川瀬・医師) それはセコムさんもアルソックさんも違うね。

力石雅博(包括B・地域) 違うものだったんですけど。

川瀬裕士 場所だけ確認できると。

坂井美和子(川瀬・看) この方の場合、連絡はくるけれども迎えには行ってくれなくて自分が行くという風に言われたんですけど、さっきの説明だと迎えに行くと言って下さいましたよね。それってやっぱり契約が違うんですか?

八木原潤(警備B・営) 契約が違うわけではない。現場急行というものだと月額の月々の使用料と違って、そこまで行くという対処が1回につき1時間1万円かかるんですね。別途の費用がかかる。

川瀬裕士 「お金がかかるんだったらいいかな」って言ったってことじゃないかな。

坂井美和子 そうなんですね。

八木原潤 そういうことですね。1万円かかるのが嫌というか、「そこまでしなくても私迎えに行くわ」という風なことであればこの1万円はかかりませんので。

川瀬裕士 そんなに頻繁にあることではないということで、普段を安くしておいて必要な時にはその分いただきますよということだよね。普段はいくらなんですか?

八木原潤 こちらの商品はセコムが提供する「ココセコム特定割引」5です。基本料金は月額500円で利用出来ます。

5 ココセコムとは持ち歩けるセキュリティ専用端末で位置情報の提供、通報、現場急行のサービスを受けることができる。ココセコム特定割引とは利用者を高齢者、お子様、障害のある方、認知症の方などに限定した特別なサービスで月額料金が安く設定されている。

川瀬裕士 まあまあ結構安いかなって一瞬思ったんですけどね。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 位置確認は2回まで無料と。

八木原潤 そうですね。はい。

川瀬裕士 何回もするとさらにかかる?

八木原潤 はい。いろいろなパッケージがあります。月々何回検索しますよとか、そういうので月々の料金が変わってきたりします。

川瀬裕士 無制限ではない。

八木原潤 そのプランによって違いますね。

川瀬敦士 続いてアルソックさんお願いできますでしょうか。

伊藤大(警備A・営) はい、では弊社の方もご説明をさせて頂きたいと思います。弊社のほうはまもるっく6という機械なんですけれども、今ちょっと比べてみたら若干セコムさんより大きいなと。今お話しの中にもありました通り、弊社の中でも悩み所といいますか、持っていっていただかないとどうにもならないというところが心配なところでございまして、セコムさんのパンフレットを使って悪いんですけれども、こういった形で持っていきやすいようにとうちの方も工夫してお話をさせて頂いているような形でございます。弊社のほうですね、料金的なお話を言いますと、月額の基本料金のほうが1番安いので1100円という形になります。セコムさんより若干600円高いような形になりまして。ただ利点としましては何回位置検索して頂いても月額内であれば無料という形になるのでいっぱい使っていただくと若干お安くなるのかなというような形はございます。

6 まもるっくとはご高齢者やお子様、女性の「野外での見守り」を可能にした通話機能・安否確認付き多機能モバイルセキュリティサービス。見守る、知らせる、かけつける、話す、見つけるの5つの機能を持っている。

新潟綜合警備保障株式会社 長岡支社 伊藤 大 氏

川瀬裕士(川瀬・医師) その人にあって、どっちがいいか。

伊藤大(警備A・営) そうですね。なので使い方によってどちらか使い分ける形で併存して生きていけるのかなとは思っていけるんですけども。一応高いだけあって若干機能も多くはなっておりまして、徘徊ということになりますと一番はまってくる機能のほうが、「見つける」という機能で①現在位置検索、②エリア出入通知、③提示時刻位置検索があります。エリア出入通知というものは、先程気がついたらだいぶ遠いところに行ってしまった、というお話があったかと思うんですけども、エリアを設定できるんですね。そのエリアから出ていった時に自動でメールがくるというようなそんな機能がついています。もちろんこちらのほうから探しに行くというのも大丈夫なんですけれども、予防という中で気がついたらどこかに行ってしまった、この範囲の中、生活の範囲の中で外に出て行ってしまった瞬間にわかればリスクが減るのかなという。

川瀬裕士 半径何メートルとか?

伊藤大 はい、それは設定ができます。あと最初に出てきました心配事で転倒とか転落というリスクに対しては、転倒感知というものがついています。ただこれはベルトに付けて頂かなければいけないという条件があるので、ちゃんと使って頂ける方とちょっと無理かなという方と別れてくる形にはなるかと思います。これが「見守る」という機能で、これが転倒感知センサーというのが中に入っていまして、速度センサーなんですけれども倒れて動かなくなった時に警報がでる、そんな形のものになります。もちろんセコムさんも先程アピールされていましたけれど弊社のいいところ、ガードマンが駆けつける、そこの売りはまったく一緒でございます。

川瀬裕士 そのエリアの外に出るというのと転倒感知に関してはセコムさんにはない機能なんでしたっけ。

八木原潤(警備B・営) 転倒感知になりますと時計型のものがありますが、これをしていて転倒すると反応します。ただ外にでている時はスマートフォンも一緒に持っていないと時計自体が通信するという機能がないので。単独ではできません。

川瀬裕士 エリアに出ると通知がくるというのもないですか?

八木原潤 はい、ありません。

川瀬裕士 そこは結構大きな違いになるのかな。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 今、押してしまいました。大丈夫ですか?コールセンターと出ています。

磯部泰之(警備A・営) もう一回押さないと大丈夫です。

新潟綜合警備保障株式会社 長岡支社 磯部泰之 氏

川瀬裕士(川瀬・医師) 操作に関して、子どもの場合は正しい使い方を教えて上手く使わせればいいですけど、認知症に伴う出奔徘徊の高齢者の場合はむしろ使えないほうが良かったりする場面が多い。つけてさえいてくれれば、見つけるのは介護者、どこにいるか知るのも介護者のほうになってくるというのがあるので、むしろどこも押せない状態のもののほうが…。パッケージングでなんとかなるかもしれないけど。

伊藤大(警備A・営) 今押してしまったというお話があったんですけれども、今先生がおっしゃられた通り、機能が多いのである程度機能を理解している方じゃないと全部使いこなせないというのが確かにありまして。セコムさんがいいなと思ったのが変な機能がついていないのでシンプルに使えて、そうすると弊社のものだとどうしても使える方の幅が狭まってくるのかなってところが今感じたところなんですけれども。なんでボタンがあるかと言いますと、これが緊急通報です。これはGPS機能というよりは携帯の端末という形になっていますので通話が出来ます。真ん中のボタンを押していただきますとアルソックのコールセンターの方に繋がるような形になっております。

 

自宅から外出し戻れなくなる恐れ

川瀬敦士(川瀬・リハ) 次の事例に進みますね。自宅から外出し戻れなくなってしまうのですが何かいい手だてはないでしょうかという事例ですね。ご説明いただけますでしょうか。

参加者A ご本人はちょっと近くの畑を見に行くつもりで外に出かけたいというご希望があります。ただご家族の方はいつ出掛けるのか、どこまで行くのか、今は帰れるけどそのうち帰れなくなるのではないかということを心配されていらっしゃる状況です。今までに少し遠くまでご本人が行かれてしまって、ご家族以外の人に発見されたということがありました。常にご家族と一緒ではないのでいつ出ていくのかというのがわからない状況。先程セコムさんとかアルソックさんの方からいろんなご提案もいただいたんですけれども、携帯のものを持っててもらったらどうですかと提案をさせて頂いたのですが靴も必ず同じ靴を履く訳でもない、服も必ず同じ服を着ていられるわけではない、持ち物も常にカバンを持っていかれるわけではないということでそういったものをどんな風に持たせたらいいのか、実際持てるのかといったところも心配されていてなかなか対応に苦慮しているというような状況です。

川瀬敦士 ありがとうございます。さあ、どんな手立てがありそうですかね。阿部さんなんかは訪問看護に行かれていて在宅でこういう方はいますか?

阿部育子(訪看・保) 最近の事例で、週一回訪問している方で住所と名前を毎回練習していたんですね。それでお出かけになられて、そして見つけて頂いて、その人の歩き方が自分の身内の方の歩き方と似ていたから声をかけたら、名前と住所をおっしゃったので、送ってくださったというのが最近あって、名前と住所の練習が大事だということで、今事業所内で徹底しているところなんですけれども。10分くらいのところ、やっぱり帰宅願望がある方で行く方向はそちらの方向だったんですけれども、それが言えたので送っていただくことができたという幸運な事例だったんですけれども そういう練習もいいのかなと思います。

済生会三条訪問看護ステーション 保健師 阿部育子 氏

川瀬敦士(川瀬・リハ) 自宅にいながらにして帰宅願望があって、自分の家じゃないというような認識だったんですかね。自分で住所と名前を言えるように何か練習をしたんですか。

阿部育子(訪看・保) 訪問の時に毎回練習をしていたというのが活かされたということで良かったねという。またもうひとつ先の対策を考えていかなければと。

瀬敦士 靴底もだめだった、持ち物もだめだったということなんですけれども、何か上手くGPSをつける方法、今この場で話を聞いていてこういうのないかなってアイデアありませんかね、みなさんの中で。原島さんどうですか。何かありませんか。

原島哲志(川瀬・介) 着ていくものが、特定していないというと、今まで背広のポッケの内側に縫い付けたとか、そういう話は聞いたことがありますが、決まっていないとなかなかちょっと難しいです。むしろ私が何か良い方法を教えてほしい感じはしますけどね。

川瀬敦士 お守りとかは試しました?さっきお守りというアイデアありましたよね。

参加者A そういうのは持たない方。サービス利用時はカバンを持っていかれる方なんですけど、家にいる時は持たないというような方なので、家から出かける時はカバンを持たずに出られる。さっきベルトというお話もあったんですけどベルトはされないです。

川瀬敦士 服は着るでしょうから。

参加者A そうですね。

力石雅博(包括B・地域) 畑に行くんですか?

参加者A そうです。

力石雅博 何か農機具とか持っていったりとかは。

参加者A ないですね。本当に見に行く位の方です。でも行方不明になった時は、それより先に行ってしまいました。

川瀬敦士 何か須貝さん言いたそうな。

須貝和哉(警備B・営) 手押しカートを持っていかないでしょうか?

参加者A いかないです。

川瀬敦士 いかがですかね、メッツ嵐南の丸山さん。

丸山里奈(薬局B・薬) 先程、畑に行かれるということだったので、その時に何か持っていかれればなと思ったんですけど特になかったということだったので。

メッツ嵐南薬局 薬剤師 丸山里奈 氏

川瀬敦士 現代科学ではまだ難しいのかもしれないですけどパッチ剤みたいなものとかね、そういうものがあるといいですね。まあこの会の途中で思いついたら言っていただけたらと思いますけれども。

 

施設で多人数への徘徊対応が難しい

川瀬敦士 はい、次の事例にいきますね。これはケアホーム三条の田巻さんお願いします。

田巻康弘(老健・看) 施設では1人の介護職が複数名の入所されている方を見守るという場面が多々あります。おむつ交換やお風呂介助で職員の手が少ない時に同時に帰宅欲求で歩きだされる場合、どうしても優先順位をつけて一番危ないという方についていくしかないんですけど、そういう方がいられると転倒、転落を防ぐためにどうしたらいいのか日々悩んでいます。

介護老人保健施設ケアホーム三条 看護師 田巻康弘 氏

川瀬敦士(川瀬・リハ) ありがとうございます。ではこの事例を見てですね、先程の調査研究と同じなんですけど徘徊対応が困難だと感じる具体的内容で1位になっているんですね。他の業務と徘徊対応の両立が困難。これはやっぱり1人で多くの人をみるということの難しさというのがあるのだと思います。(図3)

図 : 参考書籍

徘徊時対応が困難だと感じる具体的内容

1位 他の業務と徘徊対応の両立が困難(72%)

2位 転倒リスクが高いが徘徊を中断できない(59%)

3位 徘徊の目的やニーズが達成困難なものである。(53%)

※「介護保険施設の職員が認識する対応困難な徘徊の特徴」
 保健科学研究5:129-140.2015

 

川瀬敦士 グループホームこころつくしの小出さん、やはり同じ課題がありますでしょうか。

小出薫(GH・介) そうですね。うちはもともと9人しかいないのでそんなに同時にワーってことはないんですけど、構造上、死角があるんですよ。どうしても。居室の方が見えなかったりするので1人の時は困ることがあります。対応は私も困っています。

川瀬敦士 では済生会三条病院の小林さん。病院ではどうですかね。

小林由香(病院・認看) 病院では地域で暮らすその方のその姿っていうのは入院している時とは全然違って、病院での徘徊に関してはセンサーマットで対応させていただく形で、そこから出たら必ず誰かがつく、または他の業務との両立が難しかったら、応援体制で他部署から応援を呼ぶっていう体制が整っているので、なかなか困るっていうのは、スタッフがその対応に少し困りますけれども、どうにもならないということはなくて、あとは家族を呼んで付きっ切りで入院生活を過ごしてもらうことがあるので、地域での問題というのは入院している時とはまた違って普段あまり触れていない事例でとても新鮮です。

済生会三条病院 認知症看護認定看護師 小林由香 氏

川瀬敦士 ありがとうございます。高橋さんとかどうですかね。

髙橋芳雄(川瀬・介) そうですね、先程、徘徊の要因として生理的要因がありました。ということはお手洗いに行きたいとかで立ち上がるのが1つあると思うんですよね。少なくとも全部を対処するのは難しいのかもしれませんが、職員が1人になる前に、複数いるうちにトイレに行っておいてもらうとか、1人になった時のリスクを下げる為の行動、当然ケアホーム三条さんはされていると思うんですけれども、そういったことを11つやっていくしか現状手がないんじゃないかなとは思います。

川瀬神経内科クリニック 介護職 高橋芳雄 氏

川瀬敦士(川瀬・リハ) ありがとうございます。西川さんどうですか。

西川元子(川瀬・介) そうですね。デイケアおたまじゃくしでは定員20名の利用者様がいますが、決まった時間にトイレ誘導とか声掛けとかを行っています。

川瀬神経内科クリニック 介護職 西川元子 氏

川瀬敦士 なかなか少人数だと対応しにくいってあると思うんですけど、樫の森はどうですかね、庄司さん。40名ですよね。

庄司俊彦(川瀬・介) そうですね。やっぱり女性のトイレがすごく集中して。やっぱりお昼前とか、プログラム終わった後とか。ちょっと離れたところにもトイレがあるのでそちらの対応もあるし、プログラムやっていたところに「こっちにもトイレがありますので、ぜひこっちを利用して下さい」という声掛けをしても、その時は出ないという。やっぱり食堂の方に移動してそっちはトイレに行くのですごい混雑して。なるべく早めの声かけとか、介助が必要な人はちょっとプログラムが終わる前にこっそり連れ出して、時間がかかる方は早めに対応しているような感じです。

川瀬神経内科クリニック 介護職 庄司俊彦 氏

川瀬敦士 徘徊については、集中して何か取り組める課題でもあればいいですね。何か見つけておいて、この人にはこれという。あとはなるべく時間的に分散できる形とかね、出来ればいいかなと思いました。

 

帰宅願望

川瀬敦士 ではこの後、帰宅願望ですかね、布施さんお願いします。

布施良友(川瀬・介) デイケア参加時、普段は穏やかなんですけれども、不穏になると「帰ります」と玄関に向かっていく様子が見られて、その時はマンツーマン対応をさせてもらっていましたが、自宅でも夜間、家にいるんですけれども、「家に帰る」と言ってご家族も対応に困っています。この方の場合ご家族は玄関の鍵を23つ付けることでしか対応はできていませんのでいつ出るかわからないとか、不穏状態の時の対応ということでご家族さんも精神的に負担が大きかったようです。

川瀬神経内科クリニック 介護職 布施良友 氏

川瀬敦士(川瀬・リハ) はい、ありがとうございます。書籍からいくつか帰宅願望の対応策を紹介したいと思います。(図4)自宅でも夕方になると荷物をまとめて「家に帰ります」と。夕方はなんとなく寂しくて家に帰りたくなる。これを想定内に入れて対応する。夕暮れ症候群ということもあるそうですが、この時間帯は患者さんを一人にしない。夕方に予定を入れる。「家に帰りましょう」と散歩に出る。自宅を居心地の良い環境にするというのがありました。別の文献では「実家に帰る」と外出しようとする人に対して、「その前に、お茶をいれましたから飲んでいってください」、「せっかく夕食を用意しているので、食べて行ってください」という声掛けですね。あとは玄関に鍵をかけると壊す方もいらっしゃいますが、「さわるな、故障中」と書いて貼りつけておくと、出ていかれないケースもあったようです。あとはエレベーターのドアに心が癒されるような絵を描き、エレベーターらしくない雰囲気にしました。すると、絵を眺める人はいても、施設から出るためにエレベーターの前に集まる人は減ったようです。お金がかりそうですけど。少しでも徘徊を減らすには出入り口に格子模様をつけるという方法もあります。たぶん認知症の方って空間認識とかが少し低下したりするとフラットな床からちょっと模様が変わっていたりするとそれだけで躊躇される方がいます。グループホームこころつくしの金子さんどうですか、今までの話の中で何か参考になりそうなこととかありました?これはちょっとやってみようかなとか。

図 : 参考書籍の紹介

帰宅性願望

「認知症よい対応・わるい対応」

 浦上克哉 日本評論社

・夕方になると荷物をまとめて「家に帰ります」
→夕方はなんとなく寂しくて家に帰りたくなる。想定内に入れて対応する。
・この時間帯は患者さんを一人にしない。
・夕方は予定をいれないようにする。
・「家に帰りましょう」と言っていったん受け入れ一緒に自宅の周りを散歩する。
・自宅を居心地の良い環境にする。

 

帰宅性願望

「認知症の9大法則50症状と対応策」

杉山孝博 法研 

「実家に帰る」と言って外出しようとする人には
→「その前に、お茶をいれましたから飲んでいってください」
→「せっかく夕食を用意しているので、食べていってください」

 

環境調整

「認知症知って安心!症状別対応ガイド」

数井裕光 メディカルレビュー社

玄関に鍵をかけるとドアを壊す方もいらっしゃいますが、「さわるな、故障中」と書いて貼りつけておくと、
出て行かれないケースもあります。

 

環境調整

「楽になる認知症ケアのコツ」

山口晴保 技術評論社

エレベーターのドアに心が癒されるような絵を描き、エレベーターらしくない雰囲気にしました。
すると、絵を眺める人はいても、施設から出るためエレベーターの前に集まることが減りました。

 

環境調整

「認知症の取扱説明書」

平松類 SB新書

少しでも徘徊を減らすには、出入り口に格子模様を付けるという方法もあります。

 

金子幸枝(GH・介) 認知症が進むと、いきなりいなくなることも考えられるので、状態によっては早めに位置情報提供サービスを家族に相談してもいいのかなと思いました。

川瀬敦士(川瀬・リハ) 帰りたいって言っているわけだからね、それは帰りたいんでしょうね。さっきいくつか書籍の声掛け事例がありましたが、ああいうようなことも演じてやってみたりとか、実際にはしていますか?

金子幸枝 帰りたいという方には「ご飯作っているので食べていって下さい」だとか、あと夕飯の支度をしなきゃいけないから帰りたいという方には「お一人でいけないでしょうからもうすぐ送っていくのでお待ちください」とか。

川瀬敦士 実際に効果はありますか?

金子幸枝 意外と大丈夫ですね。

川瀬敦士 効果あるんですね。

金子幸枝 食事は割と大丈夫。

 

自宅から外出し戻れなくなった‐家族の迅速な対応

川瀬敦士 次のスライドは当院のケアマネジャーの渡辺さんの成功事例です。今日は出席されていませんので、私が読みます。自宅から外出し戻れなくなったということですが、Tさん、男性、要介護2、MMSE15点。アルツハイマー型認知症です。20177月、外に出たがり行方不明になることが心配と相談された。散歩に出掛け帰宅が遅くなると、時々探しに行くことが続いていた。20183月、この時MMSE6点になりました。春になり外出する機会が増え、靴ステッカーやGPS機能について情報提供する。4月、自宅から1km離れたコンビニに歩いて行ってしまった。家族全員で捜索しやっと発見した。すぐに靴の中敷きタイプGPS+警備会社と契約、首から名札も下げた。7月、夕方行方不明になり警備会社に連絡しようとしたらスーパーの店員さんから電話があり名札を見て連絡を下さったということです。三世代同居6人家族で行動力のあるご家族です。すぐに対応できたため警察に相談することなく発見できている。ということです。靴底タイプもあるみたいですね。セコムさんアルソックさんではないところ、他社さんのメーカーですけれども。次の事例です。これは庄司さんですね。

 

デイケアサービス利用中に居なくなる

庄司俊彦(川瀬・介) デイケア利用中に出て行ってしまった事例です。朝、到着して看護師が状態を確認したのが944。その後スタッフがいないことに気づいて館内を捜索するがいらっしゃらず、出奔した時のマニュアルに沿って周辺地域を捜索開始し、夫へ連絡。夫は仕事中で「俺も探す」と。夫から「本人がいたのでデイケア樫の森へ連れて行く」と連絡がありました。夫の話では一度家に帰ったのだけれども鍵がかかっていたので近所の次男の家に行く途中を発見したと。いつも自宅からガスタンクの脇を歩いて行く。今日もこの道を歩いていたところを発見。怪我とかそういったことはなくて通常通りその後はデイケアに参加されたというケースです。

川瀬敦士(川瀬・リハ) この方は他の事業所も利用されていて、その事業所さんでの対応は、出入口というのは分かるので、玄関の自動ドアのボタンを手の届かない遠くに置いています。掃き出し窓は鍵を何重にもかけ、窓の前にソファを置いて手が届かないようにしています。見守り要注意という意識で対応しています。外に出てしまったことはありませんということでした。通所リハビリ樫の森でも対策を建てたんですね。どんな対策ですか?

庄司俊彦(川瀬・介) その対策として、マニュアルがその時点で古かったので改訂しました。カバンを持って出ようとするのでカバンを別の場所で保管するようにするとか、当時はカバンがないと出て行かないような感じでした。なのでカバンの場所を変えさせて頂きました。席を立ったら声を掛ける。隣に座って対応できる時はスタッフがつくようにしました。玄関の方に移動したら声を掛けて食堂に戻ってもらうような対応をしました。あとは、鍵がおそらく出て行った時は本人さんが当時デイケア樫の森の正面玄関がサムターン式の簡単に開錠できるタイプだったんですね。それを開けてしまったんだろうということで、その後鍵も新しくしました。それ以降は病状も進行して、薬なんかもあって、そういったアクティブな感じはおさえられてきたのでその後は出奔というのはないんですけど。

川瀬敦士 はい、ありがとうございます。本人が必ず持っていきそうなものをちゃんと把握しておいて保管するというのも1ついい手かもしれませんね。あと立った瞬間に声を掛けるというのもなんか効果ありそうですね。気にかけているよというような、放っておかれてしまうと不安に感じてしまうのかなと思います。「〇〇さん」って声を掛けてもらうだけでも収まったりするんですかね。

庄司俊彦 そうですね。あと仲のいい会員さんがいる日とかは落ち着いています。

川瀬敦士 ありがとうございます。最後の事例です。布施さんお願いします。

 

自宅から外出し戻れなくなった‐ブザー

布施良友(川瀬・介) 90代の女性でアルツハイマー型認知症、要介護1の方です。今年の6月初めに自宅から1人で外出して帰れなくなったというケースです。デイケアの参加時は帰宅願望のない穏やかな方でした。自宅では決まった時間に散歩に出る習慣がありました。散歩はいつも10分位で戻ってきていましたが、その日は帰れなくなって、通りすがりの人に名前と住所を伝えて連れてきてもらった。玄関にはセンサーブザーがあるそうなんですが当時家族も音に気付かないし、散歩に行く時間が決まっていてもブザーが鳴ったことに気づかないケースがよくあるということで、頻回に帰って来られない状態になれば家族も対策を考えようと思うが、現状はサービス追加も望んでいないので様子をみています。

川瀬敦士(川瀬・リハ) ブザーなんていうのもあるんですか。ブザーはないですかね、アルソックさんとかセコムさんとか。

八木原潤(警備B・営)ブザーは組み合わせもいろいろありますのでお客様とヒアリングしてつけられます。赤外線で通るとぱっとライトが点灯したりブザーが鳴るという仕組みはありますのでつけることは出来ます。

川瀬敦士 そういった機器も使ってなるべく早く発見すれば捜索も早いですからね。ではここで一旦休憩に入らせて頂きます。5分間の後、一言ずつ感想をいただきたいと思います。5分間休憩に入ります。

 

まもるっく‐通話機能のデモンストレーション

川瀬敦士 はい、それではアルソックさん準備が整ったようです。

伊藤大(警備A・営) ありがとうございます。通話機能について先程お話しようと思いましたがなかなか出来なかったところになるんですけれども今つながりました。こちらは着信専用の携帯電話としてもお使いいただけます。登録した番号から連絡をいただくと持ったままハンズフリーでお話が出来ますので、仮に何かあった時、呼び出していただいて取れなくてもお話がずっとつながります。自動で着信しますので、その中で何か後ろの音声とか音を聞きながらとか、何か事件に巻き込まれていないかだとかそういったこともフォローしながらお話ができるような形です。今登録させていただきましたので着信音はこんな音でなります。仮に出られなかったとしても自動でつながります。「もしもし、もしもし」こんな感じでつながります。

川瀬裕士(川瀬・医師) 年寄りは耳が遠い。ちょっと音が小さいんじゃないですか?

伊藤大 なるほど。

川瀬敦士 耳につけて使うとか。

川瀬裕士 これで最大ですか?

伊藤大 これで最大ですね。

川瀬裕士 しゃべる側の人が大きい声でしゃべることを意識させておけばいいのか。

伊藤大 すみません、なんかいろいろご意見いただいてさっきから汗が止まりません。

川瀬裕士 でも大きい音で出た方がよさそうだね。まわりにいる誰かに気づかせるっていうのもあるかもしれないし、倒れていたり意識がなかったりしている可能性もあるわけでしょ。かなり広い範囲でもうちょっと聞こえてもいいのかな。

伊藤大 今後、改良版も出ると思いますから、もうちょっと音が大きければいいんじゃないかというご意見を頂きましたので今後につなげていきたいと思います。あと他の機能といたしましては、真ん中にボタンがあるんですけどボタンを押すとコールセンターにつながって向こう側から呼びだすということも出来ますし、あとは110番や119番、ご自身で掛けられる方は真ん中のボタンを押していただくと110番にかけることもできます。どちらかというとGPS端末というよりは着信専用の携帯電話にGPS機能がついているというようなそんな機械になります。ちょっと機能が多すぎるので逆にはまらない部分も多いんでしょうけれども。

 

感想

川瀬敦士 はい、ありがとうございました。それでは最後にみなさんから1言ずつ感想をいただきたいと思います。

小林由香(病院・認看) 病院内では地域の中で生活するその人っていうのはなかなか見えなくて、退院時に節目のない退院、スムーズな退院をめざしているんですけれども、今日この事例に触れてみて、さらに節目のない退院というところで病院の中で努力していこうと思った事と、あとこの事例の中だけでも病院の中でやっていること、そして活かせることもたくさん学ぶことが出来たので、病棟スタッフにこれらの方法を伝えて病院の中での事故がなく、より良い医療を提供しながらまた具合が良くなって地域に帰っていただくっていう視点を今日学びました。ありがとうございました。

田巻康弘(老健・看) 施設に入られている方の徘徊の方には居心地の良い施設の環境を作るのが大事だなという風に思いました。それといろんな方の話を聞いて帰宅願望があって帰宅欲求で家に帰ろうと思って歩き出すこと自体は、それ自体は悪い事ではないと思うので倫理的なことを含め施設のスタッフで情報共有できていたらいいのかなという風に今日思いました。ありがとうございました。

竹津喜則(薬局A・薬) いろいろお話聞かせていただいてやはり大変なんだなと聞いて感じています。いつ起こるかわからないとか、どこに行くかわからないということのプレッシャーみたいなものは介護される方にとってすごい負担になることなんだなと聞いていました。人権が云々という話とは別の話になるんですが、後々きっとペットにICチップみたいな、老人にICチップみたいな時代になっちゃうのかななんて。それが解決の方法になるかどうかはわかりませんけど、どこに行くかわかるかとか場所がわかるとかで、出てったらわかるとかっていうのが、そういうことで解消できるような時代になっちゃうのかな、なんて思って聞いていました。

共創未来さかえ薬局 薬剤師 竹津喜則 氏

丸山里奈(薬局B・薬) 徘徊出奔にもいろいろな理由があって対応や環境、接し方でだいぶそういったものが緩和できるんだなと思いました。対応例としても自宅で出来るものから、セコムさんやアルソックさんのGPSなど使ったものなどもあるということがわかりましたので今後の薬局業務で患者さんから質問を受けた時や悩みを相談された時に紹介していければなと思います。本日はありがとうございました。

山寺忠之(薬局B・薬) 私も薬局の薬剤師をしているんですけれども、なかなか薬剤師だとそういう事例に直接出会うことは少ないですけれども、サ高住とか特養とかに出入りさせていただいていまして、みなさんやっぱり出入口とか施錠とかに関してはすごく気を使われているのはすごく実感することができました。あとはこういった科学技術ですかね、そういったものは知らなかったので、もしそういうご家族とかにそういった話があった時にはこういうのがありますよと勧められるかなと思います。

 メッツ嵐南薬局 薬剤師 山寺忠之 氏

庄司俊彦(川瀬・介) 環境の整備とか技術の発展も期待できるんですけれども、地域のみなさん、認知症の方の理解が進んでみなさんが優しく声をかけられる、人の心が豊かになれば良いなと思いました。

布施良友(川瀬・リハ) 自宅から出る時に、いつ出るかわからない家族の精神的負担が大きいと思います。今までなかったのに急にいなくなったケースだと、ご家族にとってすごく心配が多いと思うのでまだ大丈夫かなというケースにどれぐらい対応していけるのかというのはまた医療とケアマネさんと地域住民の方々といろいろ相談しながら様子みていきたいと思いました。どうもありがとうございました。

小出薫(GH・介) 今回いろいろなそれぞれの方のお話を聞けて、地域にもいろいろなネットワークがあることを知り、また職場に戻ってマニュアルとか見直していけたらなと思います。ありがとうございました。

金子幸枝(GH・介) 私もいろんな職業の方のお話を聞いて、認知症のグループホームということで、認知症の人を専門的に扱っているということなんですけれども、とにかく本人が忘れてしまっていること分からなくなることの不安で、自分の居場所を探すということは徘徊とか出奔につながっているかと思うので、本人がそこで生活してもいいよっていう思いでいられるような環境作りを心掛けていくんですけれども、それが結局地域に返すと地域のみなさんが認知症をうまく理解して、さっきもお話したようにみんなが声を掛けてあげられるような街っていうんですかね、そういう風になるのが1番良い対応なのかなと感じました。

渡邉晃代(行政B・保) 今日はありがとうございました。徘徊とか出奔の要因というものを改めて学ぶ機会になりましたし、そこがどこなのかによってまた対応も変わるんだろうなという11人に違うということも学べたかなと思いますし、本人の気持ちを聞いた時にこうすると落ち着くというご本人を落ち着かせる手法と、あとはご家族の疲弊に対してどう支援するかという部分と両方あるなと思って、行政としてやるべきことは何かなと思いながらずっと聞いていたんですけれども、やっぱり声を掛ける見守りという部分と探すという部分があるとした時に、1つの方法じゃなくて組み合わせていかなきゃダメなので、行政しか出来ない事が何かなと思いながら聞いていました。そうした時にGPSの補助とか全く何もやっていないんですけれども、むしろ見守りとか地域作りのほうを今までやっていて何年か前に実績を調べた時になかなか他の市町村でGPSの補助制度を持っていても活用事例が少ないということでうち見合わせていたんですけれども、そのころから機器がどんどん変わっていますし、実績が少なくても数人でも助かるケースがいるんだったらちょっと考えていかなきゃダメかなっていうのを感じています。あと地域作りというところで市民への啓発のあたりをやっていかないとダメだなというのを感じました。

渡辺誠(特養・介) 普段施設で介護職しているんですけれども実際徘徊する方がいて、その人の対応でどうしたらいいのかなというところでそのヒントがもらえればと思って参加させていただいたんですけれども、実際みなさんの話を聞いたり見させてもらったりした中で結構知らない言葉とかもあって、その目的に対しても結構話伺ってもわからなかったので無目的なのかなと思ったりしたんですけれども、いろいろな勤勉型とかいろんな目的があるんだなということもわかったので、勉強し直してもう一度アセスメントしてその方の施設入所の前の生活の背景までできれば調べてもう一度対応していけたらと思いました。

特別養護老人ホーム 吉田愛宕の園 介護職 渡辺 誠 氏

加勢千恵子(包括B・社会) 私たちは当たり前のように外に自由に自分の思う時に出かけているんですけれども、認知症になった方がそれがなかなか自由に出来ないってことはとても不自由なんだろうなっていうことは感じていました。それを取り囲む支援者っていうのが何かしらの手だてを講じないとならないんだけど実際そのことの対応がすぐに即解決には結びついて行かないのが現状なんだなと改めて感じました。対応していくためにはこれからはいろんな道具の活用であったり、それから地域の方の力っていうのは大事だなということを改めて感じました。市町村の方にもいろんな制度とかサービスとか作って頂いてこれからますます増えていくだろうという認知症の方への対応が出来ればいいのかなという風に感じています。またこういったいろんな立場の方のご意見を伺うことでまたいろんな見方もできるのかなということで今日は大変良い勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。

燕市分水地区地域包括支援センター 社会福祉士 加勢千恵子 氏

力石雅博(包括B・地域) はい、私も今日いろいろと勉強させていただきましてありがとうございました。職制上、どうしても在宅にいる人の支援というのが中心になっているんですけれども、ここで今日実際の介護の現場の話を聞かせていただきまして、これ在宅にも通じるところあるなとか、いろんなところで組み合わせていろんなところをミックスして、その人にあったその地区にあった見守りですとか捜索の仕方とか家族の関わり方だとかいろいろ材料を得ることができました。時々施設に宿直にいくこともあり、そこだとその人にあった見守り方、声のかけ方っていうのがあって、今だと「帰りたい」と言ったら「じゃあ明るくなったら行きましょう」とか「7時になったら車出しますから行きましょうね」というと落ち着いてくれたりとか、そういうやり方も見聞きするので今日も実際生の声も聞けたので次に活かしていければと思います。

八木原潤(警備B・営) ありがとうございました。私たちもセコムのほうは日々営業マンとしてお困りごと、防犯対策ってみなさん結構あまりわからない分野なのでもやもやとしたところを私日々お客様のわからないところのお困りごとをすっきりさせるアドバイスをするのが仕事だと思っていて、セコムにはたくさん商品があるんですけれども結構会社で初めての特別な特注品を作るという組み合わせをするのが好きで、今日こういうGPSの商品はあるんですけれども皆様生の困っている状況ですね、ボタンがいっぱいあると逆にまずいとか、持たせられないとか、そういったことを私聞いたのは、今そういえばそうだなと逆にそういう現場を初めて聞いたので少しワクワクしているところもあるんですね。「何かを組み合わせればなんとかなるんじゃないか」今日そういう場を出していただいて感謝しているといいますか。何かしらいいサービス、いい提案が私の方で出来ればなと。持ち帰って勉強していきたいと思います。

須貝和哉(警備B・営) 今日はありがとうございました。徘徊する方に対しても、偏見の目を見ずにいろいろと声掛けていきたいなと私は思いました。

伊藤大(警備A・営) 今日は現場のプロの皆様の生の声を聞けてですね、ほんとに勉強になりました。いい機会、いい経験をいただきましてほんとにありがとうございます。その中でですね、特に考えさせられたことが、弊社のまもるっくについて、ボタンを押しやすく作っているような形でございます。これは生徒さんとか女性とかそういった方が押しやすいようにということで開発されたものにはなるのですけれども、今お話しの中で逆に電源を切ってしまうだとか、あとは持っていっていただけないだとか、そういった今まで考えてもみなかった方向から改良の余地が必要なのかなと思いました。こちら販売開始が2015年、また機械に関しては改良を進めていくような形になりますので、先生のほうから、もう少し音が大きい方がいいのではないかとか、そういったアドバイスもいただけましたので、開発のほうにお話をあげさせていただいてより良い機械を作れるように頑張りたいと思います。

磯部泰之(警備A・営) 本日はお時間いただきましてありがとうございました。現場の皆様のご意見を非常に参考にさせていただきました。こちらのみまもりタグですが簡単にですけどご説明させていただきたいと思います。こちら見て頂くとわかるので、まもるっくは基本的には一般のご家庭の方が例えば外出の際に持っていただくものっていう考えで、このみまもりタグというのは地域の方がその方を見守りましょうという目的で作られたものになります。ですので最初はみまもりタグというものをお持ちいただいてあとは地域の方々が受信機やお手持ちのスマートフォンにみまもりタグのアプリをご登録いただいて成り立っていくというのがこのみまもりタグの商品になります。これ何かと申しますと、みまもりタグを持っていらっしゃる方が、歩いて行く先にアプリを登録していただいたスマートフォンですとか、あるいは受信機が、Bluetoothを介して、その方がここにいますよというのをお知らせする機能を持っているものになります。ですので三条市さんですとか燕市さんでご利用いただいているタグと似ているような商品にはなりますけれども、これはボタンですとかそういったものはなくて、靴に入れていただいたりですとか縫い付けていただいたりして使って頂くものになりますので、非常に簡易なものではあるんですけれども、この対象の方がどこにいてもわかるようなシステムになっております。ただやはり地域のご協力がないと、成り立たない商品となりますので、まだ私共の周知も行き届いていないんですけれども営業努力も足りない部分もあるんですけれども、なかなか普及していかない商品にはなっています。ですが今後、今回の皆様のお話を伺った中で、やはり必要だなという風には理解させていただきましたし、私共の方も、今回の話聞いて、さらに力を入れて普及させていただきたいという風に思っておりますので、またこれ見て頂いて何かご質問等ありましたら是非お声掛け戴いたら幸いでございます。

西川元子(川瀬・介) うちの身内の話なんですけれども、徘徊をしたことがありまして、隣の部落まで歩いて行ったことがありました。なぜかというと、サ高住かえるハウスの送迎車と同じような車が通ったのを見つけ、おいて行かれたと思い、その車を追いかけて行ってしまい、1時間以上帰ってこなかった時があったんですけど、その時にこういった商品がわからなくて、カシオのGPS腕時計を買ったんですがiPhoneとつなげられると思っていたんですけど、結局つなげられなくって。やっぱりこういった商品ってアルツハイマーの方ってあまり持たないですよね。馴染みのあるものに搭載していただけるとすごくいいかなと思うんですよ、男性だったらたとえば腕時計は必ず仕事に身につけていくものですし、女性でしたらアクセサリーとか指輪とか、そういったものを今後検討していただければすごくありがたいなと思っております。ありがとうございました。

髙橋芳雄(川瀬・介) ありがとうございました。徘徊についてでしたけれども、徘徊というのはよくよく見ると段階というかがあると思うんですよね。軽い段階から本当に重度の段階、例えばお薬を使って上手くいくこと、あるいはアルソックさんセコムさんの最新の機械を使ってやっとなんとかなる場合、様々なケースがあると思うんですね。ですのでそういう情報を我々がしっかりと把握して、実際悩んでいるご本人ご家族にしっかり伝えられるようにしていきたいと思っています。今日勉強させてもらったこともまた日々の業務の中に活かしていけることがたくさんありましたのでありがたいと思っております。

原島哲志(川瀬・介) 今日はありがとうございました。私は考えが古いのかもしれませんけれども、やっぱり施設、鍵をね、かけまくってどこからも出られないような状況の中にもし自分が入ることになったらどうかなという風に思うことも正直あります。そういう環境の中に暮らしてもらっているのもどうなのかなっていうのもやっぱりあってですね、出奔徘徊をしても安心して戻ってこられるような街作りというか、いずれたぶんその辺はAIとかがカバーをして三条市民の全員のデータとかを持ってね、徘徊していてもすぐ探してくれるのかなっていう時代がくるのかなっていう風には思ってはいますけど、いずれそうなってくれればいいなと思っております。

早野義一(製薬・MR) 本日はありがとうございました。製薬メーカーの一人というか、素人目線で今日は参加させていただいたんですけれども、徘徊に関する様々な理由とかいろいろ対応すること有意義だったと思います。一市民としては出来ることは声掛けなんかは積極的にやっていけたらと思いますし、そういった訓練の場があれば是非参加したいなという風に思いました。製薬メーカーとしては今薬のお話が出たんですけれども、実は我々も認知症のBPSDに関する、軽減させるようなアプリの開発を手がけていまして、それが実現していくとこういった徘徊なんかも少し減らすことができるのかなという風には思っております。是非とも開発が上手くいくことを社員として願いながら今ここ市場に出た時には活用していただければなと言う風に思って おります。

大日本住友製薬株式会社 医薬情報担当 早野義一 氏

坂井美和子(川瀬・看) 今日はありがとうございました。私が事例に出させて頂いた奥さんはほんとに一晩戻ってこなくてどんなにつらい思いをされていたのかなと思うと家族の精神的負担って大きなものだなと思っています。でもさっき言ったみたいに住所と名前が言えたので戻ってくることが出来たので、さっきも訪問の時に練習するのもそれが活かせたこともあるので、やはり住所と名前を練習するのも大切なんだなと思ったので、予防のためにも患者さんとかそういう方に伝えていければいいなと思いました。

佐藤光美(包括A・CM) 今日はどうもありがとうございました。みなさんのご意見を聞いていろいろ参考になりました。地域のみなさんへ声掛け訓練をして徘徊の方が徘徊してもまた戻れるという地域の力をつけていくべきだなということを改めて思いました。先程ご意見頂いたように小中高と子供たちに啓発して認知症という病気の理解だったりとか、そういうところを小さいうちから理解してもらう、その子供に理解してもらうっていうことがまたその親御さんにもまた影響を与えて親御さんも認知症にっていうところをまた少し興味をもってもらって理解してもらうというところがまたつながっていってそれが輪になって地域の力になるのかなと思うので地域包括としてやれることをやっていきたいなと思いました。あとケアマネさん、私以前はケアマネをしていたので、それこそ徘徊で1番仕事納めの日に利用者がいなくなったという経験があって、その時やっぱり私も同じ職場の人もすごく心配して探したっていう経験があるので、今日頂いたGPSの情報をケアマネさんにも伝えてケアマネさんからご家族に提案して頂けるとまたご家族も1つ情報があると安心していけるのかなと思います。今お話しした年末の仕事納めの時にいなくなった方はその後GPSを持つことにしたんですけどお母さんがお守り袋を作ってくれて毎朝お父さんに今日も1日元気でいれるようにって言って首に下げてもらう、その時は、お守りを下げたっていう記憶にあるんですけども下げたあとから忘れているのでその後服の中に入れて、弄らないっていう事例がありました。家族が毎日コミュニケーションとして今日も1日元気でいれるようにっていう形で渡してもらうようにと私のほうからケアマネとして提案したこともあったので参考にしていただければと思います。

帆苅久美(行政A・保) 今日はありがとうございました。今日初めて参加しました。先程三条市の渡邉さんが行政的な発言をしてくれたので、役所的なことではなく、新潟から通っているんですけれども、4年生の時に認知症サポーター養成講座7を必ず受けるみたいになっていて、今日お便りを見たらすぐ近くの小規模多機能型居宅介護8が、学童保育9が今6年生までなんですよね、そうすると小学生に小規模多機能型居宅介護に来ませんか、勉強しに来ませんかというのがあって、それを見た時すごいいいなと思ったんですね、先程手がないって、正直高学年くらいになるとこのおばあちゃんいなくなったらちょっと声掛けてよ、くらいのこと言えば出来るかなって、ただ認知症サポーターの勉強をしたからといって実践がないと身につかないから、何とか何人かでもそっちにつながるといいなと思って、なんとかそういう動きをしていけるといい地域になるのかなと思ったりしました。あと1つは今キャッシュレスでどんどん身軽になろうとしている、財布を持たなくていいとかも、ICチップ入れて手でピって決済するような世界の動きがある中で、認知症の方々ももしかしたらそういうものを体に埋め込んでしまった方が良いんじゃないかっていう議論がそう遠くない将来はじまるのかなと思ったりしました。また今後とも宜しくお願い致します。

7 認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」を養成する講座。全国で養成し地域住民、金融機関やスーパーマーケットの従業員、小、中、高等学校の生徒など様々な方が受講できる。

8 1つの拠点で日中の「通い」サービスの提供を中心に、利用者の状態や希望に応じて「訪問」や「泊まり」のサービスを組み合わせて提供する介護保険サービス。

9 主に日中保護者が家庭にいない小学生に対して、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与えて、小学生の健全な育成を図る保育事業の通称。


三条地域振興局健康福祉環境部 保健師 帆苅久美 氏

阿部育子(訪看・保) 私は訪問看護なんですけれども、ご本人の気持ちとかに基づいてよく気持ちに添いながらご家族の気持ちにも悩みとか思いとかにも寄り添って家族の形が丸くなるような声かけとかが大切だなと改めて思いました。家族のスタイルを変えられるような声かけも必要だと思いますので、散歩しなかったご夫婦に一緒に散歩に行っていただくとか今までお世話をしてもらったお母さんをお世話する立場になることの決意だったりとか、そういったことにも関わっていけたらいいんだなと改めて感じました。参考書籍にあった、触るな!故障中って鍵に貼るとかエレベーターらしくない絵をつけて乗らないようにするとか、出入り口に格子模様の床にするとかそういったこともいろいろできるんだなという風に思いましたのでとても知識を得させて頂いたなと思っています。家が脅威の場所だとほんとに可哀想なのでご本人が望むような絵だったり、ゆったりとした気分になれるように、玄関にカーテンをつけるとかそういった工夫とかもやってみたいと思えてとても今日は有意義でした。ありがとうございました。

川瀬敦士(川瀬・リハ) みなさんありがとうございました。今ほんとにつくづくこの感想の時間が大事だなと毎回思います。貴重な意見を聞けました。時間過ぎていますので最後院長まとめを。

川瀬裕士(川瀬・医師) まず将来そうなればいいなというのもあるんだけど今毎日これで苦しんでいる人がいるからやっぱり今できることをやっていかなきゃいけない。今日出さなかったんだけど亡くなってしまった例もあるんですよね。施設から出てあるいは家から出ていって、結果的に亡くなってしまった。これを防ぐために何ができるかっていう。屋外、家の外に出る前の段階と、出た後の段階が二つあると思うんだけど、前の段階に関しては落ち着く環境を作ろうとか人手が足りなくなって転倒してしまわないようにトイレ誘導するとか。ただこれはどっちかというと施設だからできることで老老夫婦の奥さんとかに、常に見張っていてねということは言えないので、家で認知症の人と2人暮らしの人が外に出ないようにするためにどういう方法があるのか、センサーなのか他の道具なのか。家で安心してもらうために、それは誰かが開発しなきゃいけない。次に出てしまった場合は、施設からであろうと家からであろうと一緒なんだけど、その出るということが予測される方に関してはGPSを持たせるということができるかもしれない。ただ予測される人でも嫌がる人にどう持たせるか。嫌がる人でも持っていってくれてかつ人権を侵害しない、出来れば埋め込まずにできるものを開発して頂きたいなと。あとはそういうことが起こりうる状態じゃなかった人が突然出ちゃう場合もあるから、その時にはやっぱり地域の力、これが行政関係になってくるんだけど、今言ってはいたけれど、それをもっともっとレベルを上げていくことはできるんじゃないかなという気がするので、地域住民を最大限有効活用するという。その活動はなるべく早くこの地域ではやっていっていただきたいかなという風に思いました。後でホームページにまとめますので、この会のことまた振り返っていただきたいと思います。

川瀬敦士(川瀬・リハ) ではお時間過ぎてしまいましたがこれで認魂研修会終わりになります。みなさんお疲れ様でした。次回は11月を予定しております。